経緯

1.恩師

「税理士になったらどうや?」
これは、中学の時の担任の先生の言葉です。
「税理士??」
この時に初めて税理士という職業があることを知りました。

そんなことは、きれいに忘れて(笑)
繊維メーカーに一般事務として就職しました。

2.出会い

当時は
「女性は仕事よりも、ミシンの縫い方を覚えて、会社の中で
いい男性を見つけて、寿退職して、しっかり家庭を守りなさい。」
というのが、会社内での慣習となっていました。

ところが、その時の私の直接の上司が、おそろしいほど仕事ができる人で
「女性も戦力になる」という考えの人で
私に
「全部できるようになりなさい」
と言い放ちました。。。(泣)

それからは、課の事務処理から出荷準備から、本当に何から何までやり、出荷してたら納期に間に合わないときは、得意先に直接納品まで行ったりもしました。

厳しい上司でしたが、過保護(笑)な一面もあって、商品に重量があるときは、できるだけ持ちやすく梱包してくれ、駅まで車で送ってくれたりもしました。
(さすがに、腕力だけはどうしようもないですものね。。。)

仕事の段取りは、この上司に叩き込まれたおかけで、その後の仕事も続けていくことかでき、本当に感謝しています。
(なんせ、商品の品番も未だにおぼえていますからね。。。)

3.影響

その後
次の会社では、計算ができることと、簿記2級の資格を持っていたので、経理に配属されました。
その時の上司が、会計事務所出身の方でした。。。

会計帳簿もまだ手書きだった頃で、残高試算表までの資料作成表などは、全て上司の手作りでした。
それを全て手書きで記帳して、残高試算表まで作成してから、本社まで出張してパソコンに入力していました。。。
(当時のパソコンは高額で、一人一台なんて夢のまた夢でした。。。)

現金商売でしたので、毎日現金残高を合わせて、給与も現金渡しだったので、給与計算と金種作成も行い、引き出し金額が高額だったので、銀行へは上司と一緒に行っていました。

年末調整もパソコン計算などなく、源泉徴収票も手書きです。。
決算になるともう一度全ての勘定科目を洗い出していました。
(出張仮払もあった会社ですので、この清算漏れがないか確認するのが一番大変でした)

このような仕事内容が、私にとっては楽しくて、楽しくて、もっといろんなことを覚えたいと思うようになりました。

そして この頃です。
冒頭で述べた中学の担任の先生の言葉を思い出したのは・・・
上司が会計事務所経験者なので、いろいろな税の話を教えてもらっていたのも、後押しになったのかもしれないです。

「へぇ~ 税理士か~ なりたいな~ なれるかな~」
という まだまだ軽い気持ちでしたけれどもね・・・

「税理士になりたい」と思い始めた時期を同じくして、なんと上司が退職してしまったのです。
「おれ 会社やめるからな~ 学習塾開くわ~」
と 私に声をかけ
「うそ~」
というような 会話をしたのを覚えています。。。

4.決意

それから数か月後、友人から
「会計事務所なんだけど、人手をさがしているらしく、行ってみないか?」
と 声をかけられ
「ぜひ 行きたい!!」
と 二つ返事で答えました。。。
その時にはもう「税理士になりたい」という気持ちは固まっていたので・・・

それから 仕事と税理士試験の学校との往復が始まりました。。。
実は 私はまだこの時、税理士試験がどんなものなのか、全く知りませんでした。
(知っていたら 始めなかったかも・・・(苦笑))

簿記論 財務諸表論 という会計学は、まだなんとかなったのですが、法人税法 所得税法 相続税法 という税の法律になってくるともう、大変で大変で・・・
どうやって この大量の法律を覚えていこうかと
ほんと 泣きが入りました。。。

法人税法を勉強していた時期に、学生時代から一緒だった主人と結婚し、所得税法を勉強していた時期に、長男を授かったのですが、試験日と出産日が、重なってしまって・・・(泣)

5.出産と合格

「試験は受けられないでしょう?」
これは、試験日と出産日が重なった私が、大勢の人に言われた言葉です。
妊娠後、仕事はドクターストップがかかり、
「安静にしときなさい。」
と医者に言われてましたので、試験どころではなかったのですけどもね。

試験当日は、臨月でしたので、いつ出産が始まってもおかしくなかった状態の私に、試験仲間の友人が
「出産は試験終わるまで待ちや~、試験前はあかんで~」
と 無理難題を言われたので
お腹をさすりながら、心の中で
「いい子しときや~ まだ出てこなくていいからね~」なんて
勝手なことをつぶやいていたら、試験終了まで
本当におとなしくしていてくれました。(笑)

「いい子やったね~ もうでてきても大丈夫よ~」
なんてお腹に語り掛けていたら、そんな都合の良いようにはいかず、出産予定日の2週間を過ぎても、一向に出産が始まらず、とうとう帝王切開になってしまいました。(泣)

肝心の試験結果の方は

「合格しました~」

でも、合格の喜びよりも、もう試験受けなくていいことの方が
嬉しかったです。。。

ただし、友人には
「その大きいお腹で、4人か5人ぐらい蹴散らしたやろ~(笑)」
なんて 言われましたけどね(失礼な)

6.成長

その翌年に長男を抱えて開業したのですが、すぐに顧問先が増えるわけでもなく、時間ばかりがある状態でした。。

ようやく紹介してもらうことができ、1件目の顧問先ができたときは、本当に嬉しかったです。
その顧問先とは今もお付き合いをしています。。

「少しずつゆつくりでいいので、1件1件を大事にしていきたい」
その初心の思いは今も変わりません。

長男とは6年離れてしまいましたが、次男も授かり慌ただしく月日が流れ、もう20年以上がたちます。

二人の息子も母親がいない方がいい?(笑) という年齢にもなり、ようやく思いきり仕事に打ち込めます。。。



平成 9年(1997年) 税理士試験合格
(合格科目 簿記論 財務諸表論 法人税法 所得税法 相続税法)

平成10年(1998年) 坂元えみこ税理士事務所 開業
        (TKC全国会 入会)

現在    職員2名(女性2名)

会社情報

会社名 坂元えみこ税理士事務所  適格請求書登録番号 T9810194316598
所在地 578-0941 大阪府東大阪市岩田町1-17-9-106
TEL 072-966-7447
URL https://sakamoto-z.jp
顧問先 https://grasssara.jp/
https://www.rai-tec.com/