消費税のしくみ

日本で生活していて消費税を知らない人はいないといってもいいでしょう。

どんなものに消費税がかかるかというと

1.国内において
2.事業者が事業として
3.対価を得て行われる資産の譲渡、貸付及び役務の提供

となります。(外国貨物の引取りいわゆる輸入取引も含まれます。)

では消費税を納める人は誰か? (納税義務者といいます) というと「事業者」です。

ところが実際に消費税を支払っている人は誰か? (負担者といいます)というと購入者(消費者)です。

そのため、消費税は法人税や所得税のような直接税(納税義務者と負担者が同じ)ではなく、間接税(納税義務者と負担者が違う)と呼ばれています。余談ですが酒税やたばこ税も間接税となるのですよ。

消費税の税率

では消費税の税率は? 知らない人はいないですよね2種類あるのもご存じですよね。10%と軽減税率8%です!! (令和3年4月1日現在)ほとんどの取引が10%なのですが、一部軽減税率8%となる取引があります。

このややこしい軽減税率制度が適用される取引は

1.酒類・外食を除く飲食料品
2.何故か?新聞(週2回以上発行される定期購読契約によるもの)

少し説明を加えますね。

1.酒類・外食を除く飲食料品

こう言われたら簡単で迷うことなんてないと思いますよね。ところがそういうわけにはいかず、外食は文句なし10%なのですが、持ち帰りはスーパーなどで総菜を買うのと同じ扱いとなるため軽減税率8%となるのです。

ファストフードやコンビニのイートインコーナーなどがその代表的ですよね。いろいろあったようですが利用時に「申し出制」にすることで落ち着いたようです。

2.新聞(週2回以上発行される定期購読契約によるもの)

何故か???新聞が軽減税率8%になるのです。これはわからないです。いろいろと考えてみたのですが、本当にわからないです。

いろいろなことがささやかれてはいますが真意ははっきりせず、あえて言うならばこれは説明のしようがないです(苦笑)

消費税の納税義務者は事業者

消費税の「納税義務者」は事業者ですと冒頭で述べました。そして敢えて「事業者」と呼んでいます。

これは消費税法が「法人」と「個人事業者」とに区別していないからです。そのため「法人」も「個人事業者」も消費税法が適用されます。消費税法の中で「法人」と「個人事業者」とに分けられているのです。

課税事業者と免税事業者

消費税の納税義務がある事業者を「課税事業者」といい納税義務がない事業者を「免税事業者」と言います。

それではどうなれば「課税事業者」になるのかというと

1.その課税期間の基準期間における課税売上高が1000万円を超える
2.特定期間における課税売上高が1000万円を超える

のどちらかを満たした場合です。順番に説明していきますね。

1.その課税期間の基準期間における課税売上高が1000万円を超える

まず課税期間とは事業年度を言います。今は令和3年ですので

「法人」・・・・・・・令和3年中に決算月が到来する事業年度(注1)
「個人事業者」・・・・令和3年度(注1)

となります。

基準期間とは課税期間(注1)の2年前を言います。

今は令和3年ですので

■法人
令和3年中に決算月が到来する事業年度の2年前の事業年度(注2)

■個人事業者
令和元年度(注2)

となります。そしてこの基準期間(注2)の課税売上高が1000万円を超えると「課税事業者」となり消費税の納税義務が発生し、課税期間(注1)から消費税を納めることになります。

2.特定期間における課税売上高が1000万円を超える

ます特定期間とは課税期間(注1)の前年の内最初の6か月間を言います。今は令和3年ですので

■法人
令和3年中に決算月が到来する事業年度の前年事業年度の6か月間(注3)
(3月決算法人ならば令和元年4月から令和2年3月までの事業年度のうち令和元年4月から9月までの6か月間)

■個人事業者
令和2年1月から6月までの6か月間(注3)

この特定期間(注3)の課税売上高が1000万円を超えると「課税事業者」となり消費税の納税義務が発生し、課税期間(注1)から消費税を納めることになります。

ただこの「2.特定期間における課税売上高が1000万円を超える」の規定には例外があります。特定期間(注3)の課税売上高を特定期間(注3)の給与の支払合計額に代えることができます。

<会計事務所から一言コーナー>

「課税事業者」と「免税事業者」の違いは本当にややこしいですので、必ず専門家に相談するようにしましょう。

なお消費税法は日本国内で適用されるものですので、海外では適用されません

海外に行くとその国の消費税が適用されますよ。

参考までに
アメリカ・・・・・消費税という概念ではありませんが、各州によってバラバラ
フランス・・・・・20%
イギリス・・・・・20%
スウェーデン・・・25%

消費税だけを比べたら日本は安いように感じますよね。でも「法人税」や「所得税」など全体的に考えたら・・・本当に安いのかしら?