納期特例の時期がやってまいりました。といっても「何のこと?」ですよね。このページでは、源泉徴収制度についてお話していきます

法人のカテゴリに入れていますが、個人事業主でも従業員がいれば源泉徴収制度が適用されるので、法人と同じ手続きが必要です。

源泉徴収制度とは?

源泉徴収制度とは、給与・報酬・利子・配当などの支払者がそれらを支払う際に、所定の方法により所得税(源泉所得税)を差し引き(天引き)定められた期限までに国に納める(納付)する制度をいいます。

この源泉徴収は誰がするのか?というと給与・報酬・利子・配当などの支払者、平たく言えば「企業」です。(源泉徴収義務者といいます)「法人」「個人」は問いません。

給与の源泉徴収

源泉徴収で最も代表的なのは、やはり給与です。

「企業」は毎月従業員に支給する給与や役員報酬など(以下給与等といいますね)から源泉所得税を天引きし、次の期限までに納めなければなりません。

■原則

給与等の支給人数が常時10人以上
支給した月の翌月10日

例えば、5月に支給した給与等から天引きした源泉所得税の納付期限は6月10日までです。

■特例

給与等の支給人数が常時10人未満
1月から6月までの支給分は7月10日
7月から12月までの支給分は翌年1月20日

この特例制度が冒頭に述べた「納期の特例」です。

納期の特例

納期の特例を選択したい場合は、納税地の管轄税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(以下「申請書」と省略しますね)を提出すれば適用を受けることができます。

この時の注意点は、「申請書」を提出した翌月から適用されるということです。

例えば
「申請書」を提出した月が3月の場合は4月支給分から適用されるため

3月支給分は4月10日・・・・・・原則納付
4月から6月支給分は7月10日・・・ここから納期の特例が開始されます。

納期の特例の取りやめ

納期の特例の適用を受けていた「企業」が、給与等の支給人数が常時10人以上となり要件に該当しなくなった場合は、納税地の管轄税務署に「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」(以下「届出書」と省略しますね)を提出しなければなりません。

この時の注意点は、納期の特例の適用と違い「届出書」を提出した月で納期の特例が終了し、納付期限は「届出書」を提出した翌月となることです。

例えば
「届出書」を提出した月が3月の場合は3月支給分から適用されるため
1月から2月支給分は4月10日・・・・ここまでが納期の特例です(7月10日ではありませんので特にご注意です)
3月支給分は4月10日・・・・ここから原則納付が開始されます。

会計事務所から一言コーナー

納期の特例制度は適用を受ける時と取りやめる時とで適用月がかわるので要注意です。また、納期の特例の適用を受けていても毎月納付(原則納付)することが可能です。

最近は、給与等の支給人数が常時10人未満でも毎月納付(原則納付)を選択する「企業」が増えています。理由は「6か月分を合計すると納付額が多額になる」というのが圧倒的です。

以前は「毎月納税資金を横に置く」ために、納税準備預金を作ったものですが、現在は「毎月納税資金を横に置く」手間を省きそのまま窓口で納税を済ませてしまうという動きになってきています。

納付書を書くのも、特に難しいわけでもなく(もちろん教えています)6か月も資金を確保する必要もないので。考えてみればこちらの方が負担は楽ですよね。

現在給与等の支給人数が、常時10人未満で納期の特例を適用している「企業」が、毎月納付(原則納付)に切り替えたい場合は、慌てて「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出せずに、まず毎月納付に慣れてからにしましょう。

慣れていないうちから毎月納付を始めて、万が一納付期限が過ぎてしまった場合に「不納付加算税」や「延滞税」という「罰金」がかかってきてしまいかねません。

納期の特例制度は中小企業の事務負担を少なくするために作られた制度なので納付書の作成にも慣れてきて毎月10日までに銀行の窓口に行くのにも慣れてきてからにしましょう!!