消費税しくみをわかりやすく解説」で説明した通り、消費税の対象となる取引は

1.国内において
2.事業者が事業として
3.対価を得て行われる資産の譲渡、貸付及び役務の提供

となります。(外国貨物の引取りいわゆる輸入取引も含まれます。)

ところが、上記のような取引でも課税対象としてなじまないものや、社会政策的配慮から非課税取引となるものがあります。

このページでは、国税庁ホームページに記載されている主な非課税取引を紹介すると同時に説明も加えていきますね。

1.土地の譲渡及び貸付

土地そのものの売却や貸付は非課税取引となります。但し、駐車場の貸付は課税取引になります。

2.有価証券等の譲渡

株式売買取引だけでなく国債なども含まれます。

3.支払手段の譲渡

小切手や手形等の譲渡を言うのですが、滅多にない取引です。なおトピックなところでは「仮想通貨」の取引も非課税取引です。

4.預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等

預貯金や貸付金の利子や投資信託の収益分配金等が該当し、生命保険や損害保険の保険料等も非課税取引となります。

5.日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売り渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡

郵便切手や印紙、証紙は購入した時は非課税となり、それを使用した時点で課税取引となるのが原則です。(一定の場所からの購入は課税となる場合があります)だけどこんな面倒なことをするのは大変で、それが間違いの原因にもなりかねません。

そのため使用することを目的としての購入は継続することを条件に購入時に課税取引として良いとなっています。(こちらのほうが自然ですね)

6.商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡

これらも基本は郵便切手類と同じ考え方で購入した時点では非課税取引となりますが、郵便切手類と同じように購入時に課税取引にすることはできません。理由は「現金と同様」だからです。

そのため購入時点ではなく使用した時点で課税取引となるか非課税取引となるかを判断することになります。(外食や酒類の購入は10%となり飲料の購入は軽減税率8%となり、お祝いなどで商品券等そのものを贈り物とする場合は非課税取引となります)

7.国等が行う一定の事務に係る役務の提供

国や地方公共団体が消費税を貰って国等に納めるなんてことはないので非課税取引となります。登記、検査、証明、公文書の交付等法令に基づいて行われる事務手数料等が該当します。

8.外国為替業務に係る役務の提供

外国為替取引は非課税取引ですがそれに関連する手数料などは課税取引となります。

9.社会保険医療の給付等

健康保険や労災保険等いわゆる「保険診療」による治療や薬代がこれに該当します。

人間ドック、健康診断等や市販の薬代等は「自由診療」になるので課税取引となります。(先日「自由診療」であるインプラントをしましたので消費税もきちんとお支払いしました。因みに歯列矯正も課税取引です)

10.介護保険サービスの提供等

訪問介護や訪問看護、施設入所等基本的には非課税取引となります。しかしながら利用者の選定による特別な個室等一定のものは課税取引となります。

11.社会福祉事業によるサービスの提供等

社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法第2条第1項に規定する更生保護事業等のサービスの提供は非課税取引です。保育園はこの社会福祉事業に含まれます。

12.助産

産婦人科は「自由診療」となる割合が多いのですが、消費税に関しては非課税となる部分が多いようです。妊娠検査から出産までのうちほとんどが該当します。(一部該当しないものもあります)

13.火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供

火葬料や埋葬料は国等への行政手数料に該当するため非課税取引となります。なお葬儀社を通じて葬儀を行う費用は課税取引となります。

14.一定の身体障碍者用物品の譲渡や貸付等

車いすなどの一定の身体障碍者用物品の譲渡や貸付等は非課税取引となります。なお全てではありませんので、注意しておきましょう。

15.学校教育

学校教育法に規定する一定の学校(幼稚園や小中高等学校など)の授業料や教科書等は非課税取引ですが、学習塾や自動車教習所などは課税取引となります。

16.教科用図書の譲渡

文部科学大臣の検定を受けた教科用図書(検定済教科書といいます)などは非課税となりますが、参考書などは課税取引となります。

17.住宅の貸付

戸建てやアパート・マンションなど居住用に供する住宅の貸付は非課税取引となります。なお契約で居住用と明らかにしていなくても貸付の状況で居住の用に供されていることが明らかな場合は非課税取引となりますのでご注意下さい。

ちなみにテナントなど住宅以外の貸付は課税取引となります。代表例として駐車場の貸付は原則課税取引となります。

しかしながら駐車場の貸付について

1.戸建て又は集合住宅に係る駐車場で入居者について1戸あたり1台分以上の駐車スペースが確保されている

2.自動車の保有の有無にかかわらず割り当てられている

3.住宅の貸付の対価とは別に駐車場使用料を収受していない(賃貸借契約書に駐車場使用料の内訳が記載されていないことも条件です)

上記のような場合は非課税取引となります。

<会計事務所から一言コーナー>

1989年(平成元年)4月から消費税が導入されてからどんどん複雑になっていってるような気がします。特に「住宅の貸付」は後から非課税取引として追加されました。

とはいえ「住宅の貸付」に供していた住宅そのものを売却したとき、「土地」については非課税取引ですが「建物」については課税取引となります。

これは「店舗の貸付」に供していた店舗そのものを売却した時と同じです。1つ1つの取引ごとに課税取引や非課税取引を判断する必要がある消費税・・・なんとも面倒くさいですね!!!