法人とは

よく耳にする「法人」と「個人事業者」
今回はその「法人」についてお話したいと思います。


法律に基づき一定の手続きが必要な「法人」

説明の前に軽く「個人事業者」について、触れていきます。。。
(詳しくは個人のところでお話ししていきますね。)

「個人」が事業(商売)を始めたいと思えば、特に法的な手続きも必要なく、
極端な話明日からでも開業することができます。
(税務署に開業届を出す必要はあります。)

要は「個人」が事業を始めるので「個人事業者」と呼びます。。。

ところが「法人」はそうではありません。。。
そもそも自然界に「法人」というものは存在しません。
(少し大袈裟かもしれませんけど・・・)

「法人」は
わざわざ作る(設立といいます)のです。
しかも 会社法という法律に基づいて・・・

 


「法人」を作るには???

先程も述べたように法人は、わざわざ作るので、作成手続きが必要です。
それこそ1つ1つ決めて作っていくのです。。。
簡単に例をあげると

1. 法人の名前(会社名)
2. 法人の住所(本社住所)
3. どんな事業をするのか
4. 資本金(会社のお金)はいくらにするのか
5. 資本金(会社のお金)を誰がだすのか
6. 会社の代表者を誰にするのか
7. 取締役は何人にするのか
8. 監査役は必要かどうか
9. 事業年度をいつからいつまでにするのか
など・・・

1. 法人の名前(会社名)

まずは会社名を決定しましょう。。。
赤ちゃんが生まれた時に「命名」するように、法人の「命名」もしっかり考えましょう。。。
たまに会社名の由来を聞かれることがありますよ。。。

2. 法人の住所(本社住所)

ここで決めた住所が会社の本社になります。。。
会社名で郵便物が届く必要があります。。。

3. どんな事業をするのか

会社がどんな事業を行うのかを決定していきます。。。
いわゆるその事業の収入は売上高になる部分です。。。
とはいえ1つしか選べないのではなく、複数の事業を選ぶことができます。。。

4. 資本金(会社のお金)はいくらにするのか

会社が事業をスタートするにはお金が必要です。
でないとボールペン1つ買えないですよね。。。
これが資本金と呼ばれるものです。。。

1円から いくらでも決められます、が 1円では何も買えないですよね。。。
そこを考慮して決めましょう。。。

ここで1つ注意点です!!!

この「資本金」は 会社のお金です。。。
会社が終了(解散・清算結了)するまでは、個人に戻ってきません。。。
この資本金を個人的に引き出してしまうと、
「会社からお金を借りたことになる」ので お気をつけ下さいね!!!

5.資本金(会社のお金)を誰がだすのか

この資本金を出資(提供)する方が「株主」となります。。。
一人で出資するのか、何人かで出資するのか決めていきます。

6.会社の代表者を誰にするのか
      と
7.取締役は何人にするのか

取締役はよく「会社役員」と呼ばれます。
最低一人必要です。

取締役が一人の場合はその方が自動的に「代表取締役」となり、
何人もいる場合はその中から「代表取締役」を選びます。。。
「代表取締役」=「最高責任者」です。。

8.監査役は必要かどうか

監査役も「会社役員」です。。。
これは決めなければならない事項ではないので、
必要なければ省略してOKです。。。

9.事業年度をいつからいつまでにするのか

法人は事業年度を自由に決めることができます。。。
(余談ですが個人事業者は1月から12月までを1年度にすると決められています)

例えば
4月から翌年3月まで という具合に・・・
ただし 1年を超えることはできません。。

 


最終的に法人設立登記が必要!!!

上記の 1.から9.まで などを決めて公証人役場で認証してもらい、
最終的に法務局に登記申請します。。。

これを 「法人設立登記」 といいます。。。
これで、はじめて「法人」となるのです。。。

「法人設立登記」をしていない会社は、法人ではありません。。。

そして「法人」は証明することができます。。
それが「履歴事項全部証明書」です。
(以前は「登記簿謄本」と呼んでいました)
この「履歴事項全部証明書」は法務局が発行してくれます。。。

 


最後に

ここまで読んでどうでしたか???
「めんどくさい」「結構ややこしいな」という具合に感じましたか???
実際はそんなに面倒なものではないですよ。。。
とはいえ 専門家なしでいきなりできるものではないと思います。。。

特に 1.から9.までの 取り決めは、必ず契約している会計事務所に、
相談した方がいいと思います。。
契約している会計事務所が、一番親身になってくれますよ。。。

 


<会計事務所からひと言コーナー>

事業年度の最終月を決算月といいます。。。
例えば
4月から翌年3月 までを事業年度とした場合は
3月が決算月です。。。

その決算月から二月(ふたつき)を経過した月を申告月といいます。
要は 「3月が決算月」ならば「5月が申告月」となります。。
そして「申告月の月末までに」申告及び納税を行います。。。

遅れないように申告及び納税を済ませましょう!!!